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最新のコラム

 

ポリエステルとブロックボレー 2010/11/06

ブロックボレーにはストリングのたわみと反発が重要だが、ポリエステルはご存知の通り反発が少なく飛びが悪い。ラケットを振り回すストロークには良いかも知れないが、ボレー初心者がポリエステルを張ると、飛びが悪い分ラケットを引いて振り出すスイングボレーの傾向が強くなり、他のボレーを覚える障害になる危険性が高い。

 

アングルボレー、ドロップボレーはブロックボレーの応用形であり、正しいブロックボレーが出来ないと習得が困難になる。

ほとんどの方はストロークに合わせてテンションを決めるはずで、ストロークは良いがスイングボレーしか出来ない・では上達の見込みが薄い。

今はポリエステルを張ることが流行のようだが、ボレーを習得したければナイロンに戻すことも一手。ブロックボレーが覚え易くなることは確実。

 

ゲージ その3(yahoo知恵袋ネタ) 2010/02/24

「細い方がスピンが掛け易い・・」と相変わらず似たようなご意見が多い。35年前ならそれは正しい。当時のストリングは天然のナチュラルか生まれたばかりのナイロンモノフィラメントしかなかった。ナチュラルはメーカーが違っても当然、全て同じ材質(牛の腸)であるため細い方が伸びる、飛びが良い、食い付き感も高い・で正解。

出たばかりのナイロンは種類も少なく、硬く飛ばないものが多かった。ならば細い方が飛びは良い・が正解。だが現在では?なコメントとしか言えない。

 

一言でナイロンモノフィラメントといっても、歴史が長い分種類(性格)が大変に豊富。、配合により硬いものから柔らかいものまで実にさまざまあり、更にポリウレタン等の伸びる素材を混ぜた大変飛びの良いものもある。ゲージだけで判断してしまうと、合うストリングを見逃すことになりかねない。ゲージよりもその性格で使い分けてほしい。

「細い方が・・」のコメントは多分、ベテランの方が広めていると感じるが、ストリングの現状(技術の進歩)を無視した的外れのコメント。いいかげんに目を覚ましてほしい。

 

ストリングの新商品090816

また新しい材質が発売された。今度はポリエチレン(PE) ドイツ ポリファイバー社 ポリファイバーTCSというストリング。単張り価格2625円。ゲージは1.25と1.30 ポリエチレン+複合素材 商品説明ではポリエステルより柔らかく、弾力性が高いとのこと。それならポリアミド(ナイロン)に近くなると思うがどうなのだろうか。

これから単にポリと呼んでは間違う可能性がある。フルネームで言わないと混乱・・

 

最近発売されるポリエステルのストリングは形状にこだわりがあるのか、六角、八角、三角と形状が多様になってきた。他にネタが無いとも言えるが、最近のスピン化に乗って各社生き残りに必死。

 

どんなラケットでも090225

プリンス、ドネー、トアルソン、ロシニョール、ダンロップ等色々。重さは6のみ330gで残りは340g前後。面サイズは1から4は110〜107、5と6はおよそ100、7と8は95SQ、in。新古色々ですが1は20年物。5.6で15年物、7.8で7年位かな。フレームの硬さも色々。1と2はお休み中ですが全て私の現役ラケットで、その日の気分で使い分けています。メーカー別はともかく面サイズが違い過ぎで、普通なら混同使用はしませんね。「変人」とか「節操がない」とか「変わり者」と言われても・・否定はしませんが。

 

これらはラケット毎にストリングとテンションを変え、近い感触で打てる様に張っています。ストリングは硬中軟3種類、テンションは1が57lbs、7は48lbsと幅があります。当然適正テンション外も。

何を言いたいのかというと、“ストリングとテンションを調整すれば、使えないラケットは無い”です。ただし、初回の張りでぴったり合ったラケットはありません。一応狙っては張るのですが、柔過ぎたり、硬過ぎたりで2回目で調整。7は一番苦労し4回ほど張替えしてやっと良い感じに。色々なラケットが使えることは実に楽しいです。

 

ラケット変えた場合、“最初の張り”が本人に合う可能性は少ない。硬い、飛ばないならテンションを落とすか柔らかいストリングに。その逆に柔らかい、飛び過ぎならテンションを上げるか硬いストリングに張り直しをして、自分に合わせる作業が必要です。大事なことは、合わないラケットを「もったいない」という理由で使い続けるのではなく、早く張り替えること。理由は、合わないラケットが打てる様になることは、打ち方が変ったということです。本来の良い状態に戻しても、逆に合わなくなる可能性があります。

 

皆さんの肘は大丈夫? 090107

フォアストロークをスピン系で打つ方が増えている。当然飛ぶ距離は短くなるために、飛びの良い、食い付き感が良いストリングが好まれる。テンションも緩めとなるが、それは全て肘の負担が高くなる方向であり、テニスエルボになる可能性が高くなる。対策はコネスピンを止めるか、まめにストレッチをするかしかない。

 

ゲージ(太さ)その2 080715

常連のお客さまから「硬くて飛ばない」とのクレームがありパニックになった。いつもと同じストリングで同じように張っているのに・・  ストリングマシンをチェックしても異常は見当たらない。原因が解らず頭をかかえていたが、ふとストリングの太さを測定したらなんと0.04!も太くなっている。規格は1.30で平均1.32が入荷していたはずが、問題のロットは1.36。

 

急ぎ代理店に別なロットを要求したが200mロールは全てダメ(1.36しかない)。とりあえず単張りの中から選別して入手し、同じロットで張ったお客様の無償張り替えを済ませた。1ヵ月後に新ロットも入荷しやっと落ち着いたが綱渡り状態で、これほど緊張した状況も初めて。

それにしても、たまたま手元に測定器(マイクロメーター)があったから判ったが、無ければ今も悩んでいたかと思うとゾッとする。以後は全数ゲージ測定値の記録を開始することにした。

 

 

 

 

ダンロップ マックスフライ・マッケンロー

ウッドの名品 ジョン・マッケンロー選手愛用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストリングの概要     このページは、情報(数値表示)が極めて少ない感覚的で主観的な商品のお話です。

 

全体として

実に多様のストリングが発売されているが、正直な処使ってみなければ解らないものばかり。パッケージをみても、非常にあいまいな表現がされており、各社独自の工夫も多いと思うがやはり明確さに欠ける。テニス雑誌等で、ときおり代表的なストリングの試験値を紹介したものもあるが、少数すぎてほとんど無意味。

 

全メーカーの全品種がなにかしらの規格(例えばJIS)に基づく数値で性能を表現することが必要と感じる。繊維産業の歴史は長く、利用出来そうな物理特性はあると思うが当然企業秘密の部類になるため、データを公表するメーカーはまったくない。実に閉鎖的な世界です。

 

性格が重要(実にやっかいな問題)

「ガットはよくわからない・・」とお客様によく言われます。男女を問わず多くの方が同じご意見でしょう。一応張りのプロである私も、手持ち以外(他社のストリング)はまったく解りません。まれに他社のストリングを入手することがありますが、正体不明のストリングをお客様に張ることなど出来ず、自分のラケットに張るのも気持ちが悪いし、残念ながら年末の景品程度の使い道しかありません。

 

ナチュラル、ナイロンマルチ、ポリエステルの性格はおよその見当はつきますが、問題はナイロンモノ。正直なところ、これほどまでに多様の打感があるとは思いもよらず、ご迷惑をお掛けした方も多いと反省しています。ナイロンモノは、シンセティックストリングの中では一番歴史が古く(30〜35年)混ぜ物と構造の組み合わせが豊富のためと思われます。

 

更に最近は「モノマルチ」などという複合型のストリングもあり、ますます混乱するばかり。ショップの店員ですら、在庫全体の序列(打感の度合い)を把握している人はほとんどいないでしょう。ましてや一般のお客様が理解できるわけがなく、大体に於いて「失敗する可能性の高い選択」を迫られるわけです。パッケージを観ても解らず店員に聞いても解らなければ、バクチのような買い物になるのは必死です。

 

それならば、値段の高いストリングを選択すれば良いのでは?・と考える方(女性に多い)も多いかと感じますが、ご安心ください。決して(多分)合いません。残念ながらストリングはそんなに甘いものではないのです。ストリングとテンションの組み合わせ方は星の数ほどありますので、以下をよーくご参照ください。

 

ハイブリッド

ロジャー・フェデラー選手の張り方(縦ポリ横ナチュラル)が話題になっている。当初、アンドレ・アガシ選手が始めて話題になった張り方で、縦と横のストリングの種類を変えて張ることを指す。

では縦糸もしくは横糸はどの様なストリングを選べば良いのかというと、決まり事がある。縦糸は伸び難い(硬い、太い)タイプで、横糸は伸び易い(柔かい、細い)ストリングが良い。ナチュラルを入れる場合は必ず横糸に張ることが重要。

 

ところが数年前、ポリの老舗のメーカーがハーフ(半分)2本をセットにして発売したストリングがあった。性格の違う二種類が一つのパッケージになっている。通常は必ず縦横の指定があるはずだが、驚いたことに指定が無い!つまりどちらを縦に使おうが横に使おうが構わない らしい。これにはビックリ。この辺りから縦横を気にしない変な張り方が生まれてきたかも。

 

ボールを飛ばす主役(ハイブリッドの目的)

打感に大きく影響を与えるのは横糸です。その理由は糸の長さにあります。ほとんどのラケットは縦糸より横糸の方が短くなっています。縦横共ほぼ同じテンションで張っていますので、負荷に対し短い方がたわみは少なく当然、ボールを受け止めはじき返す主役は横糸と言えます。

しかし理想を求めるなら、縦糸も反発に利用した方が「より良い」と考えるのは当然のことで、各社共横糸のグロメットに工夫をこらしたラケットが多いのはそうした理由からです。

糸の種類を変える「ハイブリッド」も、縦糸にたわみが少ない糸、横糸にたわみの大きい糸を使用することにより、縦と横のたわみ差を解消する目的で生まれたと思われます。(この決まり事は、バボラ社のカタログにも明記されている)

 

しかし縦と横のたわみを合わせることは実際は大変難しい。理由は各ストリングのたわみ量が数値として公開されていないこと。最初は勘で決めるしかない状況です。

当店でも縦ポリ/横ナチュラル、縦モノ/横マルチ、縦硬いモノ/横柔かいモノ等があり、その目的の多くは耐久性向上だが考え過ぎになる場合が多かったと感じます。打感は良いが寿命が短い場合、縦を太いもしくは硬いストリングに変えて同じテンションでハイブリッドにすると、縦の性格が当然出るため幾分硬くなるはず。それが度を越すと狙いからかけ離れた張り上がりになってしまう。ハイブリッドはテンションも含めて調整すべきと感じる。

 

ストリングの分類

実にさまざまなストリングが発売されています

略 称

正式名称

材 質

断面の構造

シープ

ナチュラル ガット

羊、牛の腸

細い繊維を束ねた構造

ストリング

(日本では ガット が一般的)

シンセティック ストリング

ポリアミド系

(ナイロン)

モノ フィラメント

マルチ フィラメント

ポリエステル系

モノ フィラメント

マルチ フィラメント

ポリウレタン系

 

マルチ フィラメント が多い

 

 

ナチュラル ガット(シープ) (天然素材で作られたもの)

羊の腸(シープガット)を素材として、繊維をより合せ1本のストリングに加工している。テンションロスが極少で、食付き感を持ちつつ反発力が高いため愛好者が多いが5000〜12000円と高価。最近は牛の腸が使用されている。

 

ラケット性能の向上によりアマチュアのユーザーは少数にとどまっているが、プロでの人気は高い。水分が付着すると急激にテンションが低下し使い物にならなくなる。特に日本の夏(多湿)はシープには適さないと感じる。雨が降りそうな時、海の近く、池等の付近、湿っているオムニ、クレーコート等の使用は避けた方が無難。ボール拾いするときの自分の顔の汗にも注意。保管は必ず乾燥剤入りのビニール袋に入れた方が安全。

 

短寿命との噂もあるが最近の製品はコーティングも強く、管理に注意するだけでナイロンをはるかに上回る寿命を得る事ができる。特筆すべきはテンション維持性で、3ヶ月程で10%ほど低下するナイロンに比べ、その低下がシープにはほとんど見られず、羊さん牛さんには申し訳ないが正にストリングの為に在るような材質と感じる。

更に、ナイロンには無い特異な要素は高い摩擦係数。縦糸横糸の交差部が非常にズレにくくノッチが発生し難い性質もある。更にナチュラルはナイロンの様なメーカー差が少なく(材質と構造が同じ)、ゲージを合わせればどのメーカーの商品を選択しても後悔する可能性は少ない。代表的なシープ: VSパワー・VSコントロール(バボラ)、ファーストブルー(サバレス)、チャンピオンシップ(ボウブランド)

注)某メーカーの商品にハイシープ、OGシープなる名称がありますが、材質はナイロンですのでお間違いの無い様に。

 

 

シンセティック ストリング(ナイロン、ポリエステル等の合成繊維で作られたもの)

材質としてポリアミド系(ナイロン)とポリエステル系、ポリウレタン系があり、断面構造で区別すると心材の周囲に数十本程度を束ねたモノフィラメントタイプと、千本程を束ねたマルチフィラメントタイプがある。

 

ナイロン モノフィラメント(以下モノ)

現在の主流。太い芯材の周囲に細い繊維を巻いた断面を成す。非常に多くの商品が出回っており、硬く反発の早いものから、逆に柔らかく食い付きの良いものまであり、外見から想像出来ないほど多様な打感がある。マルチと比べ反発率は低いが耐久性がありテンションロスも小さい。

 

硬めのモノは、フラット系、ドライブ系、トップスピン系のスイングスピードが速いプレイヤーに向き、柔らかいモノは、手首を固定し押し出すスイングのプレイヤーに向く。代表的なモノとして、ゴーセンのミクロスーパーが有名だが、このストリングは硬い部類になる。モノの価格帯は1400〜2300円と安価でチタン配合、ワイヤー入り等非常に多くの種類が商品として発売されている。

 

最近の傾向として、マルチを使用していたお客様が柔らかめのモノに転向する場合が多くなっている。どんどん硬くなるラケットとの相性が良いのかも知れない。

ストリング性格の見分け方に関しては、パッケージの情報だけで硬い、柔らかいを見分けるのは不可能に近い。店員に聞いた方が良いが、複数メーカーの商品群の序列を店員が把握しているかはちょいと疑問。

 

ナイロン マルチフィラメント(以下マルチ)

芯を無くし細い繊維のみ1000本程を束ねた断面を成す。軽い打球感でスイートエリアが拡大したような感覚が得られるが、反発は意外に早い。肘への負担が軽減されるようでテニスエルボの人に好まれる。モノに比べテンションロス(張力低下)がやや大きく、耐久性も低い。

 

最近流行りの軽ラケに合う傾向があるが、打ち方にも相当左右され、押し出すスイングの人には嫌われるかも。リストを使いボールをひっぱたくようなスイングの方が向くと思われる。各メーカーの軽量ラケットのカタログには、推奨ストリングとして自社マルチを掲げている場合が多いが、あまり信用しない方が無難。

 

当初マルチは「ナチュラルシープに近いの打感を狙って作られた」と雑誌等に紹介されたことがあるが、ナチュラルを使うお客様の反応は悪い。ナチュラルユーザーの方にマルチを張ると、明らかにインパクトのタイミングが合わない(反発が早い)状況が確認でき、逆に柔らかめのモノを張った場合のほうが違和感なく、お客様の反応も良い。

これほどまでに雑誌の記載と異なる結果になるとは予想も出来ず、何を信用してよいのか・・(もう雑誌の記事は信用しない)

価格2000〜3000円。

 

ポリエステル モノフィラメント

極めて耐久性が高くテンション ロスも小さい。今では世界のプロ(男女を問わず)の大半が使用していると感じる。使用感として、ストロークでは違和感なく距離感が合せ易いストリングと言えるが、ボレーの難易度は増す傾向がある。常にフルスイングする人もしくは短時間にストリングが切れる人にはお奨め。当店の実績としてゲージ1.25のポリエステルは、代表的なナイロンモノの5〜6倍の寿命を有する。推奨テンションは、ナイロンモノと比較すると5〜10%程低く設定する方が良いとされている。伸び方に特徴があるため、ナイロンと同様の張り方で張るとテンションロスが大きく緩み易い。

 

使える寿命が短いとの噂も聞くが、多分張ったストリンガーに問題がある。物理特性値では明らかにポリエステルがナイロンに勝る伸び難さがあり、性格を生かすストリンギングなら確実にポリの方が寿命は長くなる。アマチュアで短寿命のストリングをプロが使うはずがない・とも思うし。相性としては、重いもしくは柔らかいラケットが合うと思われる。

 

070911最近、ポリエステルと思えない大変柔かいストリングが発売されるようになった。過去、食い付き感はあるが飛ばない印象が強いストリングが多かったが、その印象が変りつつある。価格は相変わらず割高だが、ナイロンに近い柔かさがあり、耐久性もある。

 

ポリエステル マルチフィラメント

商品としてはまだ少数でバボラ センシオ(旧シントロニック800PET)などがある。

 

ポリウレタン

商品としてはまだ少数だがW社(nxt、nxt tour、spidex tour)、P社(premier soft frex16)、BA社(Xcel プレミアム)がある。本来、ポリウレタンはゴム質であるため、相当柔らかい打感を想像していたが、使ったお客様のご意見は硬い(多分反発が早い)。おそらく他の混ぜ物の影響かも。押し出す系のスイングの方には不向きで、引っ叩く系の方には合いそう。

 

070913ポリウレタン配合のストリングが各社(ウイルソン、プリンス、バボラ) 出揃った感がある。反発が良く食い付き感も高いとの声もあるが、価格が高く耐久性も低い。ユーザーは女性に多く、その傾向は、インパクトでラケットを止める感じのスイングに好まれ、振り切る人には難しそう。ストリングに使えそうな材質(ナチュラル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリウレタン)がほぼ揃い、落ち着いてきた。

 

ゲージ(太さ)

市販のストリングの太さは1.1〜1.4mmの幅があり、この選択もテニスに影響を与える。一般的に細くなるほど反発力が高く耐久性には乏しくなるが、飛びを優先した細目(1.3以下)のストリングに人気がある。とは、今までの一般的な解説だが、最近ちょっと疑問に感じることがある。

 

最近のラケットは圧倒的に厚ラケ、硬ラケ(しなりの少ない=飛びが良い)が多い。それは力のある男性にとっては飛び過ぎの傾向もある。以前の薄ラケ(柔らかい=飛びが悪い)なら飛びの良いストリングが合うと思うが、ラケット自体の飛びが良い現状では、逆に1.3以上の太いストリングのほうが良い相性となる場合もありそう。

 

今でも「ストリングは細くないと・・」と口癖のように言う方も多い。それは20年前の柔ラケなら理解できるが、現在の硬ラケットに当てはまるとは思えない。昔は柔かい(反発の悪い)ラケットしか無かったので、反発の良い細いストリングが相性が良かっただけのこと。現在の反発の良いラケットに反発の良い細いストリングは飛び過ぎる傾向がある。

飛びを抑えるためにテンションを高くすると反発も早くなってしまう。今のラケットには太いストリングの方が相性が良いかも。

 

一般的に「細いほうが柔らかい」と考えがちだが、残念ながらストリングの世界はそう甘くない。硬さ、柔らかさの基本はやはりその材質にある。材質をそのままに細くすれば確実に耐久性は落ちるため、混ぜ物を変える可能性が高い。一筋縄ではいかない。

 

硬 さ(性格)

ナイロン モノには他種にはない幅広い硬さ(柔かさ)がある。一般的に硬いストリングは反発が早い分食付き感は少なく、柔らかいものは反発が遅く食付き感がある。モノならどれでも同じだろうと同じテンションで張っても意外に硬かったり、柔らかかったりする。見た目で硬さは判断できないが、パッケージの表記でおよその判断が可能。「パワー」とあるストリングは柔らかいか反発の早いストリングで、「コントロール」は硬いストリングを表すことが一般的。但し、全てそうとは言えない。この辺が、数値で表現してほしい一番の要素と言える。

 

色と形状

好みを主張するお客様に共通することは、女性はストリングの色、男性はらせんの形状であることが多い。ストリングの色で圧倒的に多いのは白色系で、その中でなら豊富な種類があり打感も選択の余地があるが、色を指定された時点で選択の余地が無く(有色の製品が少ない)、あとはテンションのみの調整となり、非常に狭い範囲での選択肢しか無くなってしまう。ストリンガーとしては中身にこだわってほしいのだがそれを口に出しては言えず、内心しぶしぶ受ける場合もある。

 

ラセン形状はスピンにこだわる人に多いが、それが真に良いのならプロも使用するはず。しかしその様なことはあまり聞いた事は無く、プロの多くはラセン以外を使用している。外観にこだわると、自分にマッチするストリングに巡り合えなくなる可能性があるので注意が必要。

 

価格は高い方が良い?

ナイロンに限っても1,000円から4500円ほどまであり、ナイロンマルチもしくはポリウレタン系が圧倒的に高い価格設定になっている。「高い方が品が良い」と考えるお客様も多いが、打ち方との相性と価格は無関係。高いものばかりを張ると結果的に上記を使い続ける結果となり、打感の選択は狭い範囲に限られる。もしかすると1,000円のストリングが一番合うかも。そうなれば、価格は安いが価値は高いものとなる。

 

ストリングの寿命

ナイロンストリングの寿命20時間(練習時間)と言われている。例えば毎週日曜日に2時間テニスをすると、1ヶ月で8時間、3ヶ月で24時間。そこから張替え後3ヶ月という表現も言われるようにになったと・・。

 

たとえ45ポンド程の低いテンションであっても約20kgの加重で常に引かれている状態であるため、未使用であっても能力は確実に劣化の方向にあり、更に打つ度に伸ばされるため打てば打つほどテンションは低下し反発力も低下する。

寿命は、練習時間によっても差が生まれるが、要は普通に打った打球がアウトしたり、インパクトの感触が微妙におかしいと感じるまでの期間を、過去の経験値から算出したものと想像できる。

 

ナイロンストリングは気温の変化に敏感で、外気温が変化した時期に張り替えておけば理想的。高価なストリングを永く使うより、安いストリングをまめに変えた方が体への負担は低くなる。と言っても女性にとっては、切れてもいないのに3ヶ月で張り替えることも勇気が必要です。6ヶ月(夏、冬)を目安にすると良い。

ちなみにナチュラル及びポリエステルの寿命はナイロンより長く、ナチュラルは湿度に注意するだけで6ヶ月以上使用可能でき、ポリエステルについては1年近く使う方も存在する。

 

ストリングの寿命は、張り方によっても左右される。雑な張りはテンションロス(緩み)が大きく、糸ズレも多くなる。緩むと飛ぶ距離も増し、我慢できなくなれば張り替えとなるが、下手なストリンガーほど緩み易く、張替えのタイミングも早くなる。

 

ストリング選びの結論として

魚を知らない魚屋はなく、肉を知らない肉屋もいない。従ってストリングを選ぶときはストリンガーに聞くこと。あいまいな答えしか返ってこない場合は、二度とそのストリンガーには近づかないこと。ストリングを一番知るのはストリンガーのはず。

 

 

 

 

テンション(張力)の概要        ずーっと昔からテンション(張力)で張っています。面圧で張った実績はありません。

 

世の中に用具を使用する球技はさまざまある。野球(軟式、ソフトボール)、ホッケー、卓球、ゴルフ、バドミントン(球技と言えるか?)、ゲートボール等々。

一般的に球と用具は『硬い当たり』が普通。ゴルフ、硬式野球などはその最たる競技と言える。そのことは、人は硬い当たりを好むのではないかと想像できる。小さいバドミントンのラケットでさえMAX30ポンドもあり、叩けばカンカンするほどの張りで使われている。

ところが硬式テニスの場合は、有名ショップでもユルユルの張りが多く見受けられ、素人が張っているのではないかと思うような場合もある。都内には上手なショップも多いが、それ以上に下手なショップも多いと感じるし、地方の場合は更に下手が多く、おそらく世の中で一番ばらつきの大きい業界と言える。

 

テンション(張力)

テンションとはストリングを引く強さで、単位はlbs(ポンド)で表す。( 1 lbs=0.45 Kg )60 lbsの場合、ストリング個々を約27Kgの荷重で引くことであり、60lbsがマシンの設定値になる。最近はSI単位(国際標準)への移行に伴いKg表記に移行する方向にあり、併記されているラケットも多い。

 

注)お客様が「テンションを指定する」とは、ラケットの張り上がりの状態を指定することではなく、ストリングマシンの設定値を指定することを意味する。

 

テンション値はテニスに大きな影響を与える。基本的にテンション値はスイング スピードと密接な関係があり、フラット系ならばスイング スピードの早い人ほどテンションは高く、スピン系ならばスピン量が多くなるほどテンションを低くする必要がある。そのためか、フラット系の女子プロの方が男子プロより高いテンションで張っているという報告もある。

「自分のテンションは〇〇lbs」と決めているお客様がいるがそれは大きな間違い。ラケットを替えたとき、ストリングを変更したとき、球種を変更(例 フラット系からスピン系へ)したとき、上達するにつれテンションの見直しが必ず必要。

 

適正テンション

ラケット個々に定められ、主にスロート内側に明記されている。(例50〜60lbsもしくは55±5 lbs)ラケットの設計性能を100%発揮させる為に適したテンションとしてメーカーが推奨する範囲

 

ハイ テンション(適正テンションの上限)

ボールの飛びが抑えられコントロール性が向上するが、オフ センター打撃での面ぶれが発生し易くスイートエリアが狭くなったような感触がある。スイング スピードの速い人及びフラット系のプレイヤーに向く

 

ロー テンション(適正テンションの下限もしくは以下)

良く飛び楽な印象があるが、コントロール(方向、深さ)の調整が困難になる危険性がある。スイートエリアは拡大する傾向があるがボレーの打感が重くなる。スイング スピードの遅い人及びスピン系のプレイヤーに向く。

 

しかし適正テンション値は、あくまで参考値程度にとどめるべきと感じる。国内向けラケットの適正テンションはおそらく日本人男性の平均値を狙って設定されるはずで、平均値から差異がある人は当然上か下かにずらす必要があり、女性は更に調整が必要になるはず。但し、適正テンションの最大値を超えることは、フレームを破損する可能性もあるのでお奨めできない。

071026最近のラケットの適正テンションの数値を見ると、異常に高く指定している場合もある。

 

一般に適正テンション値は、ラケット面が大きくなる程高く、軽いラケット程低く設定される。テンションは高すぎても低すぎても悪影響があるので、自分の打ち方とラケットに合ったテンション値を早く見つけることが重要で、ラケットを買い換えたりストリング種類を変えた場合にも見直しが必要。

 

ラケットの適正テンション値は国籍によっても異なる。輸出先の国民の体格、筋力に適性テンション値を合わせるのは当然のことで、欧米向けと日本向けでは、欧米向けの方が適正テンション値は高い。しかし、ラケットメーカーとしては輸出する国別に適正テンション値を変えて製造することは面倒。その為、ラケットの適正テンション値は変えずに、その国向けのカタログに正しい適正テンションを明示しているメーカーも多い。

 

そのことは男女差についても言える。同じラケットを男性も女性も使う場合があるが、男性の場合の適正テンション、女性の場合の適正テンションと表示しているラケットは見たこともない。ストリンガー任せなのだろうか。

 

最近感じることだが、低いテンションで使用しているお客様に面ぶれを訴える方が多く、同時に手首、肘、肩に障害をもつ場合がある。「障害がある場合はテンションを低く」と言われているが、度を越したローテンションは、逆に筋肉疲労を増し、結果としてテニスエルボが悪化する可能性が高い。

 

ロジャー・フェデラー選手のラケットのテンションは50lbsとか。おそらく対戦相手、サーフェースで調整しているとは思いますが、意外に低い。

 

テンション ロス(張力低下)☆

どんな材料(例えば金属のワイヤー)であっても荷重もしくは張力を掛け続けると変形(伸び)し、その変形が張力を低下させる原因となる。ラケットに張られたストリングも例外でなく、どんなに上手なストリンガーでもグラフ(下図)のように必ずテンションは下降する方向に向く。

 

問題はその傾きであり、下手なストリンガーほど傾きは大きく、すなわち緩み易いことになる。ストリングを長く使い続けることは、初期値との格差が拡大するなかでのテニスでおのずと限界があり、無意識のうちにフォームが変わる危険性がある。

 

 


 


テニス・コンピューター取説より引用

 

このグラフから、張上げ直後は急激にテンションが下がり(初期伸び)、非常に不安定であることが解る。左端の急降下部の長さは経験12時間程度と思われる。よく試合会場の移動ショップで張替えしているが、このグラフからは張替え直後の時間帯は試合には適さないと言える。

 

どのような張り方をしてもこの傾向は変わる事は無く、安定した条件の中で試合をしたければ張上げてから少なくとも丸一日は放置すべきと感じる。但し、ナチュラルストリングはこの傾向が微小であり、上記の指摘はあてはまらない。

 

プリ・ストレッチ

あまり聞き慣れない言葉だが、事前にストリングにテンションをかけて初期伸びを取り去る行為を言う。プリ・ストレッチしたストリングで張上げたラケットは、テンションロスが少ない分、高いテンションを維持することになり、プレイ中のテンション ロスを嫌うプレイヤーに好まれる。但し、現状のプリ・ストレッチのマニュアルはまだ確立されておらず、その為ストリンガーによってプリ・ストレッチの程度が異なり、張り上がりに差が生じる可能性が高い。

 

横糸テンションの指定

ラケットフレームには張上げ終了時で800kg程の応力が加わる。横糸のテンションは、縦糸のテンションに対し形状のバランスを取る為にストリンガー独自の掛け方があり、縦のテンションを指定した時点で自動的に横のテンションも決まるのが普通。あえて横のテンションを指定すると、フレーム形状に問題が発生する危険性がある。

 

 

 

 

 

張上げの検証

 

張上げの状態を検証する方法として、以前は「面圧測定器」しか無かった。しかし現在ではテニスコンピューター(右図)が販売され、日本ラケットストリンガーズ協会でも使用され更にプロ選手も使用している。

 

同機は、負荷に対するたわみ量を測定する面圧に対し、共振(多分)を利用しテンションを表示するため、非常に簡便で精度も良い。各ショップでこの機器の使用が増せば、ショップ差は相当少なくなると思うが、残念ながら現状は少数に留まっている。

 

 

テニス コンピューターGA52

 

 

 

 

 

結論として

 

ストリングとテンションの選択はテニスの何を決めるのか。 一言で言うなら、『ボールとストリングの接触時間(インパクトタイム)を決定する』と言える。硬いストリングを選んだ場合、インパクトのたわみが減少、インパクトタイムが短く、反発が早い(硬い打感)となり飛ばなくなる。テンションを上げる場合も同様。 テンションを下げればインパクトタイムが増し柔らかい(食つき感)打感になり、飛ぶようになる。

 

打感はストリングとラケットの性格とを合成した結果となる。もし、ストリングの硬さが数値で表されていたら、以下の式が成り立つのでは・・。

打感 =ストリング硬さ*テンション値

ラケットの要素も加えると

打感=ストリング硬さ*テンション値*フレーム硬さ*ストリング数/フェイスサイズ

(相当いいかげん・・です)

 

 

 

以前のコラム

 

訂正 ナイロンの吸水性071108

以前、「ナイロンの吸水性はありません」と書きましたが訂正します。色々な資料を見ると科学合成繊維の中で、ナイロンは吸水率が高い部類と分りました。以下YGKよつあみ社(釣り糸メーカー)Hpより抜粋。

『一般的なナイロン素材の場合、20℃の真水に24時間漬けておくと2%弱ほど水を吸い込んでしまう。釣糸にもよるが、10時間真水に漬けていた場合、5%ほど強力(引っ張り強度)が低下してしまうのだ。(中略)

 

紫外線による、強力の低下もナイロンの弱点。紫外線を連続10時間照射すると強力が50%程度低下する。』

ラケットの場合、1分でも水に漬けることは無いはずですので、少し水が付いた位では心配しなくても良いはず。しかし“紫外線”については問題ありそう。練習量の多い方なら“10時間”は2週間位で達するはず。休憩中にフェンスにラケットを引っ掛ける、立て掛けることは避け、日陰に置くとかケースに入れる等なるべく直射日光に当たる時間を減らす工夫が必要かと。

 

こんな物も071016

商品名、バボラはエラスト・クロス、トーナはトーナ・クロス、ウイルソンはストリング・グライド。使い方は、ストリングの交差部に差し込むだけ。目的は、ストリング同士が擦れ合って磨耗するのを防止します。比較的短時間(1〜2ヶ月)にストリングが切れる方にお薦め。「スピンが掛け易くなるから」との話も聞きますが、それはあまり期待しない方が・・

テンションが上がる方向の為、最初から入れ過ぎないこと。高価なナチュラルに使う方も多いです。

トーナ・クロス

張替え直後はそのままある期間使い、縦糸が磨耗し始めた部分に入れるとムダが無い。緩みも回復して良いかも。

 

テンションを変える071002

「硬いなー」とか「柔かいなー」と感じたら、“2 lbs(ポンド)を目安に”上げ下げしてください。1 lbs差は微妙で、逆に3 lbs変えるとかなりの変化になります。特に下げる場合は、以前のテンションに打ち方が慣れている為、3 lbs下げると飛び過ぎになる可能性もありますが、大幅に変えたいならOK。 時間が経過していたら必ず緩みが出ているはずですので、その分を考慮してください。同じストリング、同じテンションで張っても張替え直後は硬めに感じます。 1〜2週間後の感触を基準に決めると良いです。

 

初心者用のラケット その2 071002

通常、自分の打ち方に合わせて(打ち易いように)ストリングとテンションを決めますが、逆に、既に張ってあるラケットを初心者に使わせると、そのラケットに合わせて初心者の打ち方が決まります。(使いこなそうとする為) なるべく早めに使う本人に合わせて張り直すことが良いのですが、切れるまで長時間使うと、打ち方(フォーム)が固まる可能性があります。(緩いストリングの場合は、打点が遅れたまま固まる)大人の筋力があってやっと使えるラケットも存在しますので、初心者(特に子供用)にはご注意ください。

 

ストリングの寿命070926

1年以上使うお客様がおられます。張る方にとっては永く使ってもらえたのは嬉しいことですが、反面困ったことも。(商売にならんなーの気持ちも少し)  一般的には3ヶ月、他店はその位で緩みが出るからです。当店は6ヶ月は持つように張っています。が、1年は限界(反発力が相当低下し飛ばなくなり、打球のスピードも遅くなる)

1年以上使うとお客様が困るのでは?と予想される状況は、同じストリング、同じテンションで張っても、張替え前と張替え後の差が大きすぎること。慣れる時間が必要になるかも と感じます。

 

ハイブリッドの非常識070911

2006年ウイルソンカタログ、○○DUOというハーフ2本セットのストリングの説明書きに「メインにナチュラルを張ると素晴らしいフィーリングに・・」、唖然・・。そもそも同社は横ナチュラルのフェデラー選手と契約してるのに・・  更にショップで聞いたところ縦ナチュラルのプロもいるらしい。なぜ天下のウイルソンがこのようなことを推奨するのか極めて不思議。おそらくポリ老舗のルキシロン社の影響と思われるが、ラケットへの負荷を考えると極めて非常識な言動と言える。

 

振動止めと打球音070927

実に色々な振動止めが売られていますが、形状により打球音に影響を与えます。縦糸2本に渡す小さなタイプから10本に掛ける長いものまであり、長いものほど打球音は低く、逆に小さくなれば高い明るい音になります。

打球音のほとんどはストリングの振動で発生します。長いものほど振動抑制効果が高いのですが、テニス本来の打球音は薄れがちに。更に、付ける位置でも変ります。横糸に近づけると低くなり、グリップ側に下げると高くなります。打った感触も、小さな振動止めの場合は反発が速くなるようにも感じますので、それが嫌な方も多いのでは?と感じますが、ほどほどに高い打球音の方が気分が高揚する(打っていて気持ちが良い)とも感じますので、色々お試ししてみてはいかがでしょうか。打ち方でも、グリップを強く握る方の打球音は低くなり、軽く握っている方は高くなる様です。

 

ストリングの寿命070926

一般的には3ヶ月(20時間)と言われていますが、当店では6ヶ月でお客様に説明しています。レッスンの球出しばかりしていても、経験的に半年過ぎると飛びが悪い(今まで以上に気張らないと飛ばない)と感じますので、その辺が限度のように思えます。

 

ゲージの疑問

最近、ゲージ(表示値)の正確性に疑問が出てきた。マイクロメーター(1/100mm)で時折ストリングの太さを測定していると、1.20のはずが測定すると1.28で1.30に近い。1.35以下のはずが測定すると1.38とか1.40を越える場合も出ている。ナチュラルの老舗メーカー、ポリの老舗も同様に表示と現実にかなりズレがある。ゲージを目安に依頼を受ける場合もままあることなので、どうしたものか・・これも、測定される可能性は無いからなのか?やや雑すぎる気がするが。

 

ずれるのが嫌

打っていると縦糸がズレるが、それが嫌と言う方が意外に多い。その為にずれ難いポリエステル系を選択する。ところがポリエステル系は食い付き感はあるが飛びが悪い性格が多い。下手なストリンガーほどズレ易いが、ズレたらまめに直す方が、多様なストリングを楽しめて良いと思う。プロも直しつつ集中するとも聞く。

 

迷信《ナイロンストリングは雨に弱い》

ナチュラルとは異なり、通常の使用ではナイロン、ポリエステルの吸水率はほぼゼロ。雨でも大丈夫です。

 

??な事

男性コーチが使っているラケットを女性生徒が借りて使ったら大変良かった。で、その女性から、同じラケット、同じストリング、同じテンションでの依頼があり、まったく同じで張り上げお届けしたら、まったく使えない。硬くて飛ばないと泣きそうな顔で言われてもなぁ・・男性が使っていたストリングは、男性の筋力で緩めたと言えるのでは、だから女性が使えたと。良い教訓ですね、トホ。

 

自分の好みを他人に薦める

自分が気に入ったストリングを他の人に薦める・・良くあることですよね。例えば、ご主人が気に入ったストリングを奥様に薦める、コーチが気に入ったストリングを生徒(女性)に薦める、上級者(男性)が気に入ったストリングを女性(中級)に薦める等。以上の3例は一言で言うと「合うはずがない」です。筋力差、レベル差がある場合は合わない可能性が大変高い です。

 

ストリング選びはお医者さんの出す薬に似ています。症状の異なる二人の患者に対し、同じ薬を出すことはないでしょう。男性と女性では当然ながら筋力が異なり、スイングが異なるはず。つまり症状が異なるはずですので、テンションで調整したとしても同じストリングが合う可能性は低いと感じます。筋力、スイングスピード、スイングの大きさ、打球種、使用するラケットなどが同じ、もしくは相当近い場合のみ合うかも・・。

 

初心者用のラケット

「初心者が使うから柔らかく張って」という依頼があります。 一見正常のように聞こえますが、よく考えると異常。例えば野球の場合、初心者だから柔らかいバットを探すでしょうか。ゴルフでも同様で、初心者だからといって通常とは異なるクラブを選ぶことはありません。初心者用の軽めのラケットを買うのなら理解できますが、余っているラケットを「初心者用に緩く張って」では、それを使う初心者がかわいそうです。

 

緩いストリングには色々な弊害があります。第一に、打球が飛び過ぎるためラケットを引く・振るという正常な動作が出来なくなり、スイングを途中で止めたり、テイクバックが極端に小さくなったりします。球種ではドライブで打つと飛び過ぎる為スピンを多用するようになります。第二に、緩いストリングを永く使用すると打点が後退します。第三に、インパクトタイムが長くなる為筋肉疲労が増し、度を越すとテニスエルボの可能性も高くなります。

 

球技の用具は、球(ボール)に合わせて作られています。ボールに変更が無い以上、初心者こそ標準的な張りでそのスポーツを覚えることが大事なこと。ユルユルの張りでテニスを覚えてしまったら問題が数多く発生し、後で修正するのは大変なことになります。

 

トランポリン現象

トランポリンの上で一度高く跳ねると止まりたくてもなかなか止まれず、小さな跳ね上がりが継続する。トランポリン現象とは「自分の意志で制御できない状態」を言い、意思に反してボールが飛んでしまう状態を言う。ストリングがゆる過ぎる場合に発生し、打球の距離感(深さ)のとりづらい状態で、スイングを途中で止めてしまう様な打ち方をしている人は、この現象の可能性がある。

 

トランポリン現象を、良い効果のように表現するテニス雑誌の記事を時折見かける。ゴルフなどはクラブの宣伝にこの表現を「良く飛ぶ」意味で使っているが、飛んだ方が良いゴルフと異なり、テニスはいくら飛んだとしても、ボールがコートに入らなくては意味が無い。飛びを制御するのがテニスだと思うのだが。

 

時間と気温

張上げたテンションは時間と共に確実に緩み、3ヶ月で6〜10lbs程低下(テンションロス)する。テンション ロスの度合いはストリンガーの知識と技術に左右され、良いストリンガー程テンションロスが少なく、安定して使える期間が長くなる。更に、ナイロン ストリングは気温の変化に敏感で、気温が高くなるほど伸びが発生し、結果としてテンションが低下する。

 

故障の場合

「肘、肩に故障している人には低いテンションが良い」とはよく聞く話だが、度を越した低いテンションはインパクト タイムが長くなり、逆に筋肉疲労を増す傾向もあるので注意が必要。当店のお客様の中で肘、手首、肩等の障害は、圧倒的に低いテンションの方が多い。お試しで柔かいストリングに変え途端にエルボになったお客様もいる。オフセンターでの面ぶれも緩いストリングほど顕著になる。打球時の面ぶれが気にならない程度にテンションを上げる方がよいと感じる。

(インパクトタイム:ボールがストリングに接触し、ストリングがたわみ、反発し離れるまでの時間)

 

切れる直前

時折「ストリングは切れる直前が一番良い」とのご意見を聞く。切れる直前とはどの程度の期間を言うのか解らないが、それ以前の期間は使いにくいという意味なら、ストリングもしくはテンションが合っていない(多分硬すぎ)状態と感じる。どんな材料であっても細くなれば(切れそう)伸び易くなるため、食付き感は増す。本来は、切れる直前の打感を狙って張る方が自然。

 

ラケット(ストリング)の日常管理

ストリングは温度に敏感。特に高温(30度C以上)には弱く、その様な環境に長時間放置すると急激にテンションが低下するので注意が必要。ドライヤーを僅か10秒程でもストリングに熱風を当てるとたちまち3〜5lbs低下する。よく車中にラケットを放置している人を見かけるが、短い時間であっても車内温度の上昇に伴いラケットの温度も上昇しテンションロスが加速する。真夏の車中はストリングにとって最悪の環境

 

ストリングが切れたら

使用中にストリングが切れた場合は、縦横のバランスが崩れラケットが変形する危険性があり、速やかに他のストリングも切る必要がある。ラケットのためには切れる前に張り替えることが大事。

最近の軽量ラケットは軽量化の為に非常に肉薄(1mm以下)な構造になっている。プレイ中にラケットを落としたり、パートナーのラケットに当てたりすると、簡単にクラック(ひび)が入ることがあり注意が必要。

テニスに限らずスポーツ用具は、その人の状態に合わせて選択すべきものであり、決して人が用具に合わせるものではない。ご自分に合った用具を早く見つけ、快適なテニスを末永く楽しまれる事を願っています。