Flying Flea 100 の部屋

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フライングフリー、空飛ぶ虱は、一昨年もっと大きな物を作って初飛行で墜落させています。航空法の規制で飛ぶか飛ばないか分からない機体は現実的に飛ばすことが難しくなってしまいましたので、規制されないアンダー100gでリベンジします。
スペック

 翼幅      440mm
 全長      346mm
 飛行重量   85.7g(重心合わせの重りを含む)

 モーター    コスモテック CT1811 KV2000
 バッテリー   Lipo 2セル 220mAh
 プロペラ    GWS EP4025改
 サーボ     EMAX ES9251
 操縦      エレベータ、ラダー

飛行記録
2022年10月19日
 飛行ではありませんが、浮く感覚を見たいので庭で滑走試験しました。結果は惨敗でした。
 まず、庭のコンクリートが凸凹が大きくうまく滑走しません。その結果、頭を突いてしまうことが多く、プロペラが割れてしまいます。
 次に、さすがに庭では狭いようで、あまり速度を上げることができません。
 それでも、少しは跳ねるとかしないかと思ったのですが、まったくその気がありません。迎え角不足も考えられます。

 プロペラが割れたので本日は終了。部屋に戻って迎え角を確認すると、水平尾翼に対して主翼の迎え角がマイナスに見えます。というわけで迎え角を増やしてみました。
 図に示す主翼の後縁の高さを37mmから34mmに変更しました。角度にして約3度になります。
  
2022年10月20日
 初飛行してきましたが失敗です。
 滑走路の草に足を取られると滑走できないので、何度か繰り返してやっと離陸。やや重い感じですが素直な離陸でした。しかし、その後ちょっとラダーを打ったら効きすぎであとはバタバタ。荒波にもまれる小舟のように左右にロールして、高度も上がらずそのまま田んぼの周りにあるイノシシ除け金網に激突!
 やっちまった!と思いましたが、被害は車輪が割れたことと、主翼マウントが胴体から剥がれているだけでした。主翼マウントは接着で治ると思いますが、車輪は作り直しになるでしょう。
 飛行の様子を思い返すと、離陸がやや重い感じで速度のわりに浮かないことから主翼の迎え角がまだ足りないかもしれませんが、重心を後ろにしたほうが簡単でしょう。ラダーの効きすぎはサーボホーンの長さを短くします。

 このような「ゲテモノ」飛行機にしてはまともに飛んだと思います。軽い機体なのでかなり激しい衝突と思いましたが軽い被害で済みました。月末の尾島飛行会までに修理調整を済ませたいと思います。
2022年10月23日
 リベンジ飛行、成功しました。
 夕方、ふと外を見るとまったくの無風。これはリベンジ飛行するしかないっしょ、というわけで我が家の専用飛行場へ。先日の初飛行を思い返すと心配なのはダッチロールの原因です。ラダーの効きすぎと考えていましたが、考えれば考えるほど機体の癖ではないかと思えてきます。といっても対策は思いつきません。
 やるっきゃないっしょ!というわけで滑走を試みましたが、インチキ修理の車輪はあっさり破損。それじゃ手投げというわけでやってみると、やっぱりダッチロールで草むらに墜落。
 無傷だったのでもう一度手投げ。やっぱりダッチロールしますが、今度は速度の出すぎを感じてスロットルを下げてみると、なんと安定して飛行を始めました。これはもしかしてプロペラ後流が水平尾翼に当たって不安定になるのか?しかし、分かってしまえばこっちのもの。スロットルを下げて飛行しましたがかなり下げても安定して飛びます。下げすぎてプロペラが止まると急激に頭を下げるのは失速でしょう。ということは前が重すぎだと思います。
 上空8の字飛行を繰り返しましたが安定した飛行です。小さな半径でターンしようとすると巻き込み癖があります。その割にパラソル翼にありがちな、ラダーを切って傾いた機体を戻そうとするのが分かります。機体の高度はエレベータではなくてスロットルで行う感じです。癖が分かってきたらスローでいい感じに飛行することができました。

 今後の改善ですが、まず車輪はスポークをベニヤ2枚重ねにして作り直します。プロペラはEP4040を使っていますが、EP4025に変更します。重心はもう少し後ろに変更します。広い滑走路の尾島ならじっくり加速してふわりと浮くことができるのではないかと期待します。
 2022年10月30日
 尾島で飛ばしてきました。天候は晴れで、風は微風。最高の条件でした。
 念願の滑走離陸はちょっとふらついたものの成功。あまりスロットルを上げないように注意しましたが、やっぱりタイヤの抵抗があるのでつい上げてしまいます。微風とはいえ風があるので安定しません。これはあとでビデオを見て分かったのですが、エレベータが効きすぎて修正舵におつりが来ているようです。エレベータの舵角を小さくしたいのですが、主翼を組み立てたらサーボにアクセスが困難になってまして、さてどうしよう?
 それは置いといて、プロペラ変更の効果か、スロットルを上げても不安定にはなるものの強烈なダッチロールは生じません。
 着陸は難しいです。かなりスローフライトが出来るので簡単そうですが、スーッと滑空させるのが難しく、ピッチングを起こしてハードな接地になります。そして最後は必ず頭を突いて停止。アンダー200gでも思いましたが、あまり低い翼面荷重は安定性に欠けます。アンダー100gでも無理に軽くせずに、100gを切るギリギリの重量で仕上げるといいかもしれません。

あおぞらいっぱいさんが撮ってくれた飛行の様子。
https://www.youtube.com/watch?v=2de3FF1Kn-g

製作記 

レーザーカットしたバルサとベニヤです。翼面積が大きいので、機体サイズは他の100g機と比べても小さくなっています。

胴体後半はヒノキ棒のトラス組構造です。ヒノキ棒は2mm角を削って1.5x2mmに仕上げます。

胴体から組み立てます。胴体側板A1とA2を接着し、ヒノキ棒でトラス組します。組立は原寸図面の上で行います。

完成した側板です。ヒノキ棒の接着は瞬間だけでは心もとないので、バルサの粉をまぶして瞬間で固めています。

胴体側板に補強部品A3とA4を接着します。結果的にA4は前方A1の部分だけで不要でした。A3は胴枠F1に突き当てです。

胴枠F1とF3は組み立て式です。原寸図面でもいいですがスコヤで直角平行を出しても組み立てられます。

F5は胴体側板の片面に接着後、図面を参考にテーパーに削ります。削る角度は仮組で調整します。  

テープで仮組してみました。バッテリートレーにミスがあったので一部切り取っています。そのほかに問題なかったので接着しました。

胴体底面のプランク材B2、B3、B4を位置決めして、B2、B4だけ接着します。B3はバッテリーハッチになります。

バッテリーハッチB3は補強材B7を接着します。胴体にぴったりはまるように、現物合わせで位置決めしました。

サーボベッドB6にスクラップベニヤでネジ受けを作ります。
  

行程が進んでしまっていますが、サーボベッドB6と胴枠F2を接着しました。
 

機首の天板B5を接着します。長方形の穴は位置合わせがありますので、慎重を期してタイトボンドで接着しました。

この部分の補強のため三角サポート材を接着しました。サポート材は直角三角形なので少し調整が必要です。

胴枠F4を接着します。なお、胴体後半のテーパーの形状は少し膨らみましたので、F4を1mm弱拡大しています。

機首下面にプランク材B1を接着しました。これは瞬間接着剤を使っています。
  

はみ出したプランク材を整形し、全体をサンディングしました。
  

モーターマウントの工作に入ります。これは主翼の受け台のアルミパイプです。
  

ベニヤパーツを切り出したら、胴体の上で現物合わせで組み立てます。モーター取付部分D1は接触面を確保するため調整が必要です。

胴体の上で少量の接着剤で仮固定したら胴体から取り外します。改めて瞬間を流して確実に接着します。

これは3mmノイズレスパイプを5mmの長さに切ったものです。モーターマウントのアルミパイプにはめて主翼固定のネジのゆるみ止めになります。

こんな感じでネジを取り付けます。
  

翼の製作に入ります。はじめに前縁材、後縁材を組み立てます。
  

スパーの形状を参考に上反角を付けます。水で濡らし、ドライヤーを当てたりアイロンを当てると簡単に曲げることができます。

リブとスパーを組み立てますが、無理に力を入れないで丁寧にはめ込む必要があります。ハーフリブは最後にはめ込みます。

尾翼も同様に組み立てます。歪みなどを確認したら瞬間を流して接着します。リブやスパーが浮かないように押さえつける必要がありました。

翼を固定するピボットやホーンを取り付けるためのリブのほぞを補強するためのベニヤパーツを、リブを挟んで接着します。

ピボットとホーンを仮止めしてみました。
 

尾翼を取り付ける軸受です。軸は1.5mmカーボン棒を使います。
  

前縁および後縁を翼型になるようにサンディングしました。削りすぎないように注意が必要です。

ラダーを組み立てました。翼型になるように後縁を薄く削っています。
 

定番のパイロット君です。
  

タイヤホイールはベニヤで作りました。6本スポークでもしかしたら強度不足化と心配でしたが杞憂でした。

タイヤは5mmウレタンスポンジをレーザーカットしました。
  

ダミーエンジンを組み立てました。これは底面ですが、穴の中には重心調整のため鉛を入れるつもりです。

尾そりを作りました。0.5mmのピアノ線です。
  

仮組しました。生地完です。
  

生地完です。
  

翼は3次曲面のため貼るのが難しいです。下面は1枚で貼れますが、おもて面は分割して貼りました。

しかし結果はこの通りしわだらけ。オラライトならアイロンで皴が消えるのですが、今回初めて使ったEライトフィルムはうまく消えません。

何とか貼りましたが大変みっともないです。尾翼のほうは注意して貼ったので少しはキレイに貼れたと思います(ほんの少しです)

ラダーに入れた文字は小さい方で6mm、大きい方で9mmですが、視力が低下していて良く見えなくて、ほとんど発狂寸前!

それでも何とかフィルム貼りを終わり、メカを搭載して完成です。
  

車輪とバッテリーハッチです。車軸は1.5mmカーボン棒を接着。バッテリーハッチはテープ止めです。赤いテープがないかな?

ラダーのリンケージは定番の2mmカーボンパイプにMPJのマイクロクレビス。ピアノ線使うよりカーボンパイプのほうが軽いです。

モーター周りです。プロペラアダプターはカッコ悪いけどゴム止めにしました。ダミーエンジンには鉛球5gくらい詰めて重心調整しています。
以上でフライングフリー100(FF100)が完成しました。
良かったこと
(1)エレベータ(水平尾翼)のリンケージがうまく動いた。
(2)胴体の色分けがレフィルムをーザーカットすることによりうまくいった。
(3)初めてOKのEライトフィルムを使ってみた。大幅コストダウンになった。

悪かったこと
(1)フィルムがしわだらけになってしまった。
(2)翼と胴体のアライメントが取れていない。少しねじれてしまった。