MoonSLP の部屋

機体格納庫に戻る

 年1回のスロープ遠征を楽しみにしています。
お山の風は無風から10m超えの強風まであって、風に合わせた機体が必要になります。私の持っている機体はどちらかというと数m以下の弱い風に向いた機体ばかりなので、ここらで少し強い風に向いた機体を作ってみます。
 スペック

翼幅      1500mm
全長      928mm
飛行重量   495g(重いほうが望ましい)

操縦      Vテール  エルロン  フラップ
受信機     R6106HFC 改造
サーボ     フラップ  EMAX ES9052MD
         その他   EMAX ES9051

翼型はE226 7%改造だと思うのですが、微妙に違うようです。
うっかり記録していませんでした。

完成記念写真 正面から。
  

完成記念写真 裏面の様子。
  

飛行記録
 2024年11月10日
 初飛行してきました。初飛行といっても、手投げによるトリムと重心の確認程度ですけど。

 先ずちょっと問題がありました。合わせてあったはずですが、Vテール左のトリムがズレていました。原因は追って調査します。ここではクレビスで調整しておきました。それとエルロンとフラップの面が少しずれています。これを合わせるのは難しいです。

 重心位置は主翼前縁から60mm(32%)です。グライダーとしては前になりますが、スロープですからこれくらいが良いと思います。微風に向かって水平に強めに押し出すと良い具合に真っすぐ飛んでいきます。やや頭を下げる傾向ですが、ほんの少しエレベータを引いてやれば水平飛行します。エルロンもノートリムです。重さのせいか、どっしりした感じの飛行で良く伸びます。
 すごく良いと思います。手投げ100点です。そのうちバンジーで飛ばしてみます。

製作記 

レーザーカットが終わりました。フルプランクなので、1mmバルサが大量です。バルサは比較的比重が大きいものを使いました。  

今回はVテールから組み立てました。プランク材にリブを並べますが、位置合わせの刻印をしてあります。

前縁材と短冊状のスパーを並べて接着しました。
  

前縁材はリブの形の延長になるようにサンディングしました。
  

プランク材はタイトボンドで接着しました。反りを防止するため、ヒノキ棒で挟んでみました。  

後縁材と翼端材を接着して、翼型になるように全体をサンディングしました。
  

エレベータを切り出します。切り出し位置はプランク材に刻印してありますので、カッターでなぞれば正確に切り出せます。

切り出した木口に3mmバルサで蓋をします。はみだしを整えた後で、エレベータ側はV型にサンディングします。

胴体の組み立てをします。バルサの側板にベニヤの補強とテールパイプ取付用のカーボン棒を接着しました。

胴枠とサーボトレーを挟みこんでテープで仮組しました。
仮組で歪みを確認したら瞬間を流して胴枠を接着します。

胴体後半部にはテールパイプの取付用の胴枠があります。
  

テールパイプを仮付けしてみました。ピッタリはまっています。
  

胴体のコーナーに三角材を接着しました。三角材は5mm角棒を半分に削って作りました。

三角材を側板に揃えてサンディングした後で上下にプランクします。
  

機首ブロックを接着しました。
  

ウイングボルトの受け台を作りました。ここは強度が必要なのでエポキシを多めに流しています。

胴体を丸くサンディングします。
  

キャノピーハッチを切り離しました。切り出す位置はバルサに刻印がありますので、それをカッターでなぞればきれいに切り出せます。

Vテールの取り付けは、テールパイプに2mmカーボン棒を挿して、それをかんざしとして翼を固定します。角度は110度です。

110度を測るテンプレートを使ってかんざしを挿してみました。カーボンパイプの中にはハードバルサが埋め込まれています。

良い感じに仮固定出来ました。エポキシをたっぷり使って接着する予定です。現時点では仮組です。

主翼(中央翼)を組み立てます。初めにプランク材を貼り合わせました。
  

中央のリブブロックです。ウイングボルトで押さえるため丈夫にしました。
  

通常はスパーにリブをはめて組み立てますが、強度アップと重りのために真鍮パイプを入れました。この時点では接着していません。

初めにリブを前縁材に接着します。前縁材の厚み方向は真ん中に合わせます。その後、スパーにリブを接着します。  

前縁材をリブの形状に合わせてサンディングしました。
  

ところで、中央翼のプランクにサーボリードを取り出す穴を忘れていました。
  

翼の下面プランクに、組み立てたリブ組を乗せて、位置決めして接着します。斜めリブとホーンの受け台を追加しました。

サーボリードを通す紙筒を取り付けました。外翼のかんざしを受けるアルミパイプは強度が必要なためエポキシで接着しました。

外翼のかんざしは5mmカーボンパイプです。受けのアルミパイプにするっと入るようにサンディングしています。

上面をプランクしました。テープでガッチリ止めたうえで、雑誌を重石にして乾燥させました。その後、後縁材を接着しました。

前縁及び後縁を翼型にサンディングしました。プランクの凹凸も修正しました。
  

外翼を組み立てます。中央翼と組み立て手順は同じですが、曲げがきつく、しかも基準があいまいなので難しいです。

プランク材に乗せて、スパーの曲がり具合やリブの角度を確認してからリブを接着します。プランクにはまだ接着しません。

前縁材をリブに揃えてサンディングします。
  

プランク材にリブ組を接着しました。斜めリブ、サーボリードの筒、そして左上のグレーのパーツは重りです。

上面プランクおよび後縁材を接着しました。上面プランクに穴が開いていますが、かんざしの接着のためです。

翼端版を接着しました。
  

リブの組み立てが悪く、上反角が正しく出ていませんでした。スクラップバルサでリブを追加して上反角を調整しました。

中央翼と外翼の位置合わせを調整したところで、現物合わせでかんざしをたっぷりのエポキシで接着します。

切り抜いたプランク材で蓋をしたらかんざし工作は完成です。
  

全体をサンディングしました。
  

翼型はこんな感じ。
  

中央翼と外翼の合わせ面は、微妙な隙間がありますが合格です。
  

フラップを切り出しました。プランクに目印があるので正確に切り出すことができます。      

切り出した木口に蓋をしました。
  

フラップの木口をサンディングしました。フラップはテープヒンジを使うので、ヒンジの面は斜めに少し角度を付けるだけです。

外翼も、フラップと同じ手順でエルロンを切り出しました。エルロンのヒンジ面はV字型にサンディングしました。

ウイングボルトの受け台(後方)を作りました。テールパイプに載せるためにR加工しています。

現物合わせで高さを調整しました。OKならたっぷりのエポキシで接着します。左右のねじれにも注意が必要です。  

生地完になりました。出来上がってみると、テールが短く感じます。図面だとカッコいいんだけど?

真横から見たところです。写真ではわかりにくいですが、主翼は歪みなく仕上がりました。   

ところで、サーボリードを主翼から胴体へ引き込む事に問題ありです。この狭いところに4本も引き込めるか?

Vテールのリンケージは胴体内でクロスさせる計画でしたが、少しでも開口部を明けるため、胴体に沿わせるように変更しました。

メカ積みはさておき、フィルム貼りを進めます。カラーデザインは定番のシンプルなものにしました。

Vテールのリンケージは上記のようにギター弦にするつもりでしたが、くたくた曲がらないようにするのが難しいので1mmピアノ線に変えます。

通してみると、太くなった分、ちょっとした曲がりが動きを渋くします。
  

リンケージがスムーズに動くように、リンケージを通す穴を何度も何度も削って調整しました。

リンケージの検討していたら、サーボの位置が高すぎてハッチにぶつかることが判明、サーボを少し低くしました。

さらにリンケージを下げるために小細工。サーボホーンが上下さかさまになっているのが分かるでしょうか?

最終的にこのような形になりました。ロッドエンドはL型に曲げたピアノ線で、収縮チューブで固定しました。  

Vテールのリンケージです。ホーンの高さは7mm。クレビスは愛用のMPJマイクロ。ロッドエンドはテトラのMHです。

バッテリーは1セル400mAhとし、受信機は手持ちのR6106HFCを使います。受信機は最新のものだと大きくて入りません。

Vテールの全体像です。色がカッコいい。なお、リンケージロッドはテールパイプに瞬間で固定しています。舵の動きがシャキッとして良いです。

翼内のサーボはバルサとベニヤでブロックを作り、耳を挟みこむようにして位置決めします。塩ビシートの帯で抑え込んで抜け防止です。

フラップは下に動作角を大きく取るため、内装式です。これで約50度下げることができます。

フラップのヒンジはフィルムヒンジです。テープヒンジは手軽ですが、経年劣化でべたべたとかパリパリになるので使いません。

サーボカバーは0.3mmのプラ板を使いました。真空成型が下手なので平らな板に真空成型したバルジを接着しています。

フラップのサーボカバーはバルジがうまく整形できなかったので熱収縮チューブを使いました。色も良いですね。

サーボリードの配線が困りました。翼からサーボリードが4本出てきますが、胴体が細いため中継コネクタが胴体に収まるか?心配です。

それで中継用に専用のコネクタを作りました。ギリギリ胴体に入ります。
  

受信機は6チャンなので電源コネクタが挿せません。普通ならYハーネスを使いますが、とにかく小さくしたいのでコネクタを別に出しました。

苦労した甲斐があって、ポッドに受信機とバッテリーを組み込むことができました。アンテナはハッチに穴をあけて外に出しています。  

テスト飛行のために、手投げでは機速が足りないと思うので、バンジーフックを追加しました。小さなヒートンを加工しています。

主翼のケースを作りました。中央翼と外翼2枚が入ります。2mm厚のアルミ断熱シートを梱包テープで貼りました。
以上でMoonSLPが完成しました。
 良かった点
(1)やや強めの風用として、ほぼ希望通りの重さで仕上がりました。
(2)カラーデザインもシンプルながらきれいだと思います。
(3)Vテールの固定方法がうまく行きました。

悪かった点
(1)設計が長期中断したため、詰めが甘いところが沢山ありました。
(2)細い胴体に拘ったため、メカ搭載に苦労しました。逆に、工夫で解決できたのは良かった点です。

追伸 リモートIDを忘れていました。場所がなくて一度は主翼に貼り付けとも思いましたが、ここに何とか入りました。

電源は、受信機から出したコネクタを二股にして供給します。写真はわかりにくいですね。これで重量は495gです。